Column珪藻土に調湿効果がある理由とは?調湿性の原理と正しい使い方について
珪藻土は塗り建材として壁のリフォームでニーズが高まっています。
調湿性能があることから、珪藻土を壁に塗ると室内が快適になると人気です。
では、珪藻土にはなぜ調湿効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、珪藻土の調湿性の原理と正しい使い方について説明します。
珪藻土が調湿性をもつ原理とは?
珪藻土は1990年代後半から建材として用いられるようになってきましたが、そもそもどんなものを指すのでしょうか。
珪藻土の調湿性はその独特な構造に秘密が隠されていました。
珪藻土は植物性プランクトンの化石
珪藻土とは、珪藻(ケイソウ)と呼ばれる植物プランクトンが化石になったもののことです。文字通り、珪藻が積み重なり硬化した「土」を指しています。
中学校の理科の教科書で馴染みがある方もいるでしょうが、珪藻は唇の形をしており、アオミドロやミカヅキモなどと同じく光合成を行う藻類です。もともと海底や湖底にあった珪藻が、時を経て地上に隆起したものが珪藻土です。
珪藻土はアメリカを中心に世界各国で採取することができ、日本国内でも秋田県や石川県、岡山県など全国約80カ所で採ることができます。
珪藻土が調湿性をもつのは無数の穴があるから
珪藻土は年月を重ねて硬くなっていますが、その表面には肉眼では確認できないほど小さな穴が無数に空いています。
その数は木炭の5000~6000倍にも及びます。
この穴は「細孔」と呼ばれ、直径2~50ナノメートルほどの大きさです。
ナノメートルは10億分の1メートルですから、顕微鏡でしか見ることができません。にもかかわらず、細孔の面積は珪藻土1gにつきテニスコート1/2(約250㎡)に相当します。
細孔があることによって、珪藻土の調湿性を可能にしていると言っても過言ではありません。
珪藻土は呼吸して湿度40~70%を保つ
珪藻土が調湿効果をもつのは、珪藻土が室内の湿気を自動的に感知して調節してくれるからです。
部屋の湿度が高い時は水蒸気を吸収し、湿度が低くなると水蒸気を放出するという仕組みをもちます。
この性質から珪藻土は「呼吸する壁」と呼ばれており、私たちが快適に感じる湿度(40~70%)を保つ作用があるのです。
夏の暑さ対策はもちろん、冬の寒さ対策、結露防止にも役立ちます。
珪藻土は天然素材でありながら、市販の暖房器具や除湿器、加湿器のような働きをしてくれる、非常に優れた塗り建材と言えます。
珪藻土の正しい使い方や選び方とは?調湿効果を最大限に発揮させよう!
珪藻土は部屋の湿度をコントロールしてくれるという大きなメリットをもちますが、その調湿効果を最大限発揮させるためには、正しい使い方や選び方を知っておく必要があるでしょう。
壁のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
珪藻土の調湿性能はJIS規格に基づく
どんな珪藻土でも調湿性が高いというわけではないため、客観的な評価に基づいた一定の基準をクリアしたものを選ぶべきです。
調湿機能の客観的評価は、JIS規格で定められています。
珪藻土を含めた建材はJIS A6909の試験方法に基づき、調湿性が数値化されているのです。
そして、JIS規格において調湿性が認められるのは、「70g/㎡/24h」以上の性能をもつものになります。
「70g/㎡/24h」というのは、1㎡あたり24時間で70gの水を調湿できることを表しています。
よく、「漆喰は調湿性が高い」といわれますが、一般的な漆喰は40g/㎡/24h程度ですので、調湿性能においては珪藻土に劣ると考えてよいでしょう。
ハイブリット珪藻土メルシーシリーズは、200g/㎡/24hの機能を持っています。
珪藻土の調湿性は細孔を塞ぐと損なわれる
珪藻土はあくまでも塗り壁の原料であって、そのまま壁に塗ることはできません。
水を加えただけでは粘りが出ないため、つなぎ材として糊や接着剤、凝固剤(セメント、せっこう、合成樹脂)を混ぜて塗る施工業者が多くなります。
しかしながら、これらを入れると珪藻土の細孔を塞いでしまうことになり、十分な調湿性能が得られない可能性があるのです。
珪藻土自体に高い調湿性があったとしても、壁に塗った後に効果が発揮されなくては元も子もありません。
つまり、珪藻土の調湿効果を保持するためには、細孔を潰すことのないつなぎ材を使用する必要があります。
樹脂ではなく、食品に使われているのり剤(例えばビールに使用しているコーンスターチ)珪藻土だけでは固まらないので
しっくいを加えて表面強度を上げるとか自然素材でも工夫して強さと機能を持った製品があります。
まとめ
珪藻土は「呼吸する壁」と呼ばれるように、表面にある無数の穴が調湿を行っています。
調湿効果を最大限に発揮するには、JIS規格をクリアした珪藻土を選ぶこと、そして珪藻土の細孔を塞がないつなぎ材を選ぶことが鍵を握ります。
調湿性能に惹かれて珪藻土の壁にリフォームしようと考えている方は、この2つの点に注意して施工するようにしてください。
塗り壁材はすべて同じではない。
珪藻土+しっくいの良いとこ取りをした【ハイブリット珪藻土メルシーシリーズ】絶対のお勧めです。
